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大会:ノルディックスキーW杯〔第63回ジャンプ週間〕開催:2015年1月6日 / ビショフスホーヘン年末年始にドイツとオーストリアで集中開催されるビッグイベント。W杯「第63回ジャンプ週間」の全4戦。伝統が脈打つ権威と緊張感が格別の雰囲気を演出している。W杯「ジャンプ週間」の全4戦は独特のノックアウト方式で行われる。○1本目は、予選1位VS50位、2位VS49位…の形で直接対決。 勝者25人と敗者の上位5人(ラッキールーザー)の合計30人が2本目に進出。○2本目は、1本目の成績の逆順に飛び、2本の合計得点により順位を決定。☆第1戦 12月30日 オーベルストドルフ/ドイツ 優勝:クラフト〔オーストリア〕 291.9点 2位:ハイベック〔オーストリア〕285.0点 3位:プレフツ〔スロベニア〕 283.9点☆第2戦 1月1日 ガルミッシュ・パルテンキルヘン/ドイツ 優勝:ヤコブセン〔ノルウェー〕 286.0点 2位:アマン〔スイス〕 279.4点 3位:プレフツ〔スロベニア〕 276.9点☆第3戦 1月4日 インスブルック/オーストリア 優勝:フライターク〔ドイツ〕 278.5点 2位:クラフト〔オーストリア〕 273.5点 3位:アマン〔スイス〕 263.7点 3位:葛西紀明〔日本〕 263.7点
4戦を通じて、シモン・アマンの歓喜と悲劇には胸を締め付けられた。第1戦で前のめりに着地失敗。第3戦では、同点で共に表彰台を決めた葛西紀明に真っ先に抱きついてレジェンド同士の抱擁を見せた。そして、第4戦の2本目ではまたしても着地失敗、顔面強打で意識を失いタンカで運ばれるという痛々しい場面があった。そして、ジャンプ週間と言えば、W杯の優勝争いとは別に、「4 Hills Tournament」のタイトル争いも目が離せない。
4戦合計8本の合計得点でジャンプ週間総合優勝を争う伝統的なタイトル。最終日ビシュフスホーヘンのナイター大会は、眼下の埋め尽くされた大観衆の画とともに幻想的な美しさが溢れ出ていた。クライマックスは、有力選手による2本目(通算8本目)のジャンプだ。★トップ3の登場で葛西紀明。
137mの大ジャンプ。この第4戦の暫定1位に立つ!★4ヒルズ暫定首位のクラフト登場。それほど伸びず132m。第4戦としては葛西トップは変わらず。★ラストにハイベック登場。ジャンプ週間のラストジャンプへの大声援が物凄い!オーストリア国旗が所狭しと激しく揺れまくる中を、136.5mの大ジャンプでW杯初優勝を勝ち取った。☆第4戦 1月6日 ビショフスホーヘン/オーストリア 優勝:ハイベック〔オーストリア〕288.4点 2位:葛西紀明〔日本〕 277.1点 3位:クラフト〔オーストリア〕 271.3点それから、クラフトとハイベックに絞られた「4 Hills Tournament」の行方は僅差の争いへ。 ↓結果が出た瞬間、仲間に担がれガッツポーズを見せるクラフト。オーストリア勢7連覇が決まった。◆ジャンプ週間総合争い(4 Hills Tournament) 優勝:クラフト〔オーストリア〕 1106.7点 2位:ハイベック〔オーストリア〕1100.7点 3位:プレフツ〔スロベニア〕 1077.2点 4位:葛西紀明〔日本〕 1074.8点ジャンプ週間総合タイトルの表彰式。オーストリア勢のワンツーに大観衆の熱狂は赤く燃え上がるばかり。総合優勝クラフトは雪面に感謝のキスをして、表彰台の頂点に上った。あどけなさの残る21歳がメダルにもキスをして、ゴールデンイーグルのトロフィーを高々と上げて笑顔をこぼした。国歌吹奏時には冬の夜空に花火が打ち上がり、これ以上ない極上のひとときに酔いしれた。うっとりするような美しい終幕の光景だった。若い選手が次々と頭角を現す土壌。あの雰囲気を創り上げる伝統。とにかく、気持ちいいほどに“恐るべし常勝オーストリア”を満喫したジャンプ週間だった。
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